【書評】現代詩手帖2020年8月号~最高に不必要で、最高に必要な一冊~

 

みなさんこんにちは。シャイニングフリーターです。

この本のレビューを書いているブロガーって僕ぐらいかもしれません(笑)

今回ご紹介するのは、詩の月刊雑誌です。

実は私、大学では文学部に属し、卒業論文の題材は英詩でした。

英語で卒論を書かなければいけない状態でしたので、ホントしんどかったですが、書ききったことで、「成長した」感だけは味わえましたね(笑)

そんな詩を少し勉強した私。最近時間ができたことで、自分で詩を書いています。作品の応募をしてみようかと思い、こちらの本を購入しました。

まさし
この雑誌って詩のコンテスト作品を扱っているんですか?

 

うーん、というよりも、プロの詩を掲載したり、評論家たちの議論を掲載していたりって感じかな。新人作品ってページがあって、入選作品はそこに掲載されるんだ。 

 

まさし
なるほど~。じゃあ詩人としてデビューするなら、まずはそこで入選することが大切ってことですね。
 

 

そうだね。詩人への登竜門的な感じかな。本名で応募するみたいだから、仮に入選したら、本名がばれちゃうね(笑) 

 

まさし
シャイニングさんの本名に価値ってあるんですか?

 

それは言わない約束~(笑)

 

最高に不必要で、最高に必要

 

結論から述べましょう。この本は、「最高に不必要で、最高に必要」です。

まさし
何ですかそれ?(笑)

 

うん、詩を読んだことが無い人には、詩の議論には興味がないだろうし、

「ふくらみ ふくらみ あらゆるものを すいこんだ」みたいな表現を読んでも「?」ってなると思うんだ。

だから、興味がない人には1,400円を無駄にしたと思えるかもしれないんだよね。

 

まさし
うーんたしかに。。。詩の作風が変わってきたとか議論されてもなぁ。

 

そういった感想を持つ人も多いはずだよ。でもね、詩はすべての人にひらかれていて、理解するものと付き合おうとする性質を持つんだよ。この性質は、忙しい現代を生きる私たちが忘れかけていることで、時々立ちどまって思い出す必要があるんじゃないかな。

 

まさし
すべての人にひらかれていて?理解するものと付き合う???

あ、わかりにくかったね。以下に要点をまとめるよ

 

誰にとっても必要であると感じた理由

 

詩に興味がある人にはもちろん、興味のない人にも必要と感じた理由は以下の通りです。

すべての人にひらかれている

詩は理解できない人とは付き合わず、干渉しない

言葉の持つ力を再認識することができる

難解な「きもち」を読み取る練習になる

 

ひとつずつ見ていきましょう。

 

すべての人にひらかれている

詩は、「お前は教養がなさそうだから、読ませない!読むな!」などと言いません。

 

あくまで「読んでいいよ」というスタンスです。

 

誰しも平等に詩に触れることができ、時に勇気をもらい、時に辛い自分の境遇を言語化してもらえたような安心感を味わうことができます。

 

もしも、訳が分からない詩ならば、そのまま離れてしまって良いのです。詩の周囲には、オープン&フラットな環境が整っています。

詩は理解できない人とは付き合わず、干渉しない

人間関係、大人になれば、利害関係が絡みます。詩との付き合いは、利害関係はありません。理解できない人、理解しようとはしない人とは付き合いません。

 

現代では、SNSが発展し、情報を発信することの大切さが日に日に増してきていますが、その中で、批判されないように自分の意見とは違う行動をするとか、他人の評価を気にして生きてはいないでしょうか。

 

それも一つの生き方ですが、自分らしく生きることの大切さを忘れてはいけません。そんな当たり前で、重要なことを詩は思い出させてくれます。

 

言葉の持つ力を再認識することができる

普段何気なく使用している言葉ですが、言葉は大きな力を持っています。死のうと考えている人を救うこともできるかもしれませんし、誹謗中傷をして、ひとを殺すこともできるでしょう。

 

言葉の力は、強大です。あなたが普段何気なく使っている言葉、ひとを傷つけてはいませんか?

 

詩をとおして、言葉の力をのぞいてみましょう。

 

難解な「きもち」を読み取る練習になる

 

詩は、言葉の可能性に気づかせてくれます。

 

セミの構造は、折り紙に、似ていた」というのは、ある方の詩集のワンフレーズです。

地上に出て1週間程度で息絶えてしまうセミの命のはかなさを、折り紙でかんたんに折れてしまう(つまり、解体するのもすぐにできてしまう)ことに関連付けているのでしょう。こんな表現思いつきませんでしたし、発想力の幅が拡がったように感じました。

 

詩は、私たちの発想力・表現力を向上させてくれます。

日常生活で困っている人(家族・友人・部下・後輩等)に寄り添い、彼らが感じている苦悩・葛藤を理解し、気持ちを適切な言葉で伝えるには、それなりの経験や語彙力が必要になるでしょう。

 

あらゆる人間の苦悩や葛藤が題材になることも多く(風景を人生に重ね合わせたり、生と死についてのテーマなどもおおいです)、詩に向き合い、読み取ることで、経験を積み、語彙力・表現力・発想力を向上させることが可能になります。

 

手に取ってみるという選択肢

1,400円程のお値段。安いと言えば安いですし、高いと言えば高いです。

 

ある人にとっては、「ゴミ」になるかもしれませんし、ある人にとっては「気づきを与えてくれる」良本となるかもしれません。

 

それは、一読しているまで、1つの詩に何時間も時間をかけて何度も何度も読み返してみるまで分かりません。

 

人生経験のひとつとして、詩の本を手に取るという選択肢だけ、今日はお伝えできればと思い、この書評を書きました。作品を転載することができず、内容に関して述べることができないことをご了承ください。

 

 

詩との向き合い方について(皆様へメッセージ)

これで、書評を終わりますが、購入後、「どうしてもわからない…」と感じた方もいらっしゃると思いますので、先にメッセージを書いておきます。

 

どうしてもわからなければ、手放してしまってもいいのです。

 

あと1時間見つめれば分かるかもしれませんし、1か月後、ハンバーガーでも食べている時にふと理解できるかもしれません。向き合ったということが大切なのだと思います。

 

アイルランドの詩人の作品を読んだことがあり、読み解くには、アイルランドの地理や歴史、生活様式なども調べる必要がありました。全く理解できない1つの作品を10時間かけて読み解き、ついに「理解できた!」と感じたとき、私を襲ったのは、「今すぐに死にたい。」という感情でした。

きれいな風景を表現しているのかと思いきや、作品の裏には、戦争で命を落とした先人たちのご遺体が重なり合う光景に思いをはせる作者の苦悩や葛藤があることを知り、深く読み込んでいた私もその感情をもろに受けてしまったのです。

 

そんな時は、自分の好きなものでも食べて、詩を忘れましょう。

 

詩は中立です。あなたを追いかけることも、見捨てることもしません

 

それを忘れないでください。

 

物好きな方に…その作品のリンクも貼っておきます。お買い求めの際はどうぞ自己責任で(笑)

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