貸金業務取扱主任者に独学20時間で合格した手法

会社員時代、財務部に所属していたことがあります。

私は下っ端なので、会社の銀行口座の残高をひたすらエクセルへ入力、社内文書の精査、郵便局へ現金引き落とし等の業務を行っていました。

財務部といえば、どの会社でも不可欠なのが銀行とのやり取りでしょう。

将来的に融資の知識が必要と考え、貸金業務取扱主任者の試験に合格してアピールしようと思ったのが取得のきっかけです。

会社は資金を借りるほうなので、この資格を取ってもあまり意味がなかったようですが、金融業界へ就職を考えている方は、貸金業者の従業者のうち50人に1人は貸金業務取扱主任者を設置しないといけないという決まりがあるので、就職としては強みになるはずです。

 

貸金業務取扱主任者試験の問題構成

試験問題は4択50問で構成されています。これぞれの内訳は以下の通りです。

  • 法及び関係法令に関すること(22問~28問)
  • 貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること(14~18問)
  • 資金需要者等の保護に関すること(4~6問)
  • 財務及び会計に関すること(2~4問)

はっきりとした問題数は決まっていないのですが、①が28問、②が14問、③④あわせて8問出題という、①のウェイトが大きい試験だといえます。

当然①の試験対策を疎かにしていると、合格は難しくなります。

合格点もはっきりとは決まっておらず、受験生の上位30%程度の人が合格するようです。

点数としては、30/50点ほどですので、35点を取れば、ほぼ確実に合格すると考えてよいでしょう。

では、それぞれの試験分野を簡単に見ていきましょう。

貸金業務取扱主任者試験の内容①:法及び関係法令に関すること(22問~28問)

内容ですが、以下に関する問題が出題されます。

  • 貸金業法
  • 貸金業法施行令
  • 貸金業法施行規則
  • 出資の受入れ、預かり金利等の取締りに関する法律
  • 利息制限法
  • 貸金業者向けの総合的な監督指針
  • 事務ガイドライン
  • 貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則
  • 紛争解決業務に関する規則
  • 紛争解決業務に関する細則
  • 貸し付け自粛対応に関する規則

何やら難しそうですが、貸金業法に関わる規則、法令を覚えていきます。

この分野は配点が最も大きく、そして努力が報われやすい分野とも言えます。

暗記量や精度を上げれば、結果が出る分野といえます。

22問から28問の出題があると決められていますが、25問以上は出題されているように思いますので、ここで8割以上得点したいものです。

自分で試験範囲の資料集めをしても良いのですが、少しお金を使って、テキストを購入したほうが良いでしょう。

貸金業務取扱主任者試験の内容②:貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること(14~18問)

以下に関する問題が出題されます。

  • 民事法…民法、商法、会社法、保険法、手形法、小切手法
  • 民事手続法…民事訴訟法、民事執行法、民事保全法
  • 倒産法…破産法、民事再生法
  • 刑事法…暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律

こちらも試験範囲を見ると、何やら難しそうですが、主に民法からの出題です。

民法は、本番試験で思考力が問われることがあり、暗記をしても高得点は狙いにくいというのが正直なところです。この分野は、一通り学習をして、6割以上正答することをひとまずの目標とするのが良いかもしれません。

貸金業務取扱主任者試験の内容③:資金需要者等の保護に関すること(4~6問)

以下に関する問題が出題されます。

  • ・個人情報保護法
  • ・消費者保護法
  • ・経済法
  • ・貸金業法その他関係法令

この分野では、お金を借りる側の保護に関する法律や規則を学習します。

試験では5問程度出題されます。

3問程度は正解できるのですが、満点を取ろうとすると意外と難しい分野といえます。

数時間勉強して、3問以上は確実に取れるようにしておきたいです。

貸金業務取扱主任者試験の内容④:財務及び会計に関すること(2~4問)

以下に関する問題が出題されます。

・家計診断…家計収支の考え方等

・財務会計…企業会計の考え方、財務諸表等

この分野は、主に財務会計分野から出題されます。簿記の学習をしたことがある場合は有利ですが、社会人として最低限必要な知識ですので、慣れない方、苦手意識のある方も今後のために学習はしておくことをおススメします。

この分野は3問程度の出題で、全体の平均正答率は5割程度ですが、数時間勉強すれば、ほぼ確実に満点が取れます

問題数は少ないですが、この3問は意外と侮れません。

ここは完璧にしておきたいです。

貸金業務取扱主任者試験に向けた、私の学習時間&試験結果

会社員として勤めつつ、隙間時間で勉強を進めました。

当時は、残業残業の日々で、朝6時から24時まで残業しても終わらない状態でした。

家に帰って座った時点で寝落ちするなんてこともしばしばあり、正直勉強できる余裕はありませんでしたが、体に鞭を売って、何とか20時間程度でしょうか。

本当は十分に時間を取って、昼休みの時間にも勉強したかったのですが、昼休みなんて取れる時間的余裕がありませんでした。

夜7時に15分間席を外して、すき家でランチしていたほどです。

貸金業務取扱主任者試験に向けて、試験勉強でやったこと

試験範囲と問題数、問題分析(0.5時間)

貸金業法分野の学習+一問一答(10時間)

民法分野の学習(5時間)

消費者保護分野の学習+一問一答(3時間)

財務会計分野の学習+一問一答(1.5時間)

ざっくりこんな感じの時間配分で学習しました。

正答率を高めるため、貸金業法の勉強時間を多くしましたが、結果的にこれが功を奏しましたね。貸金業法の問題は、覚えることが多い分野ですが、覚えさえしてしまえば、素直に解ける問題が多くありました。

また、消費者保護分野と財務会計分野の正答率は8割以上にすることを目指しました。問題数は少ないものの、ここで落とすと痛いです。

民法の学習時間が短いですが、宅地建物取引士試験で一度民法は学習していたので、テキスト学習のみとしました。

※学生時代をほぼ勉強にささげた男です。勉強時間はあくまで参考にしてください。

貸金業務取扱主任者試験の結果

法及び関係法令(貸金業法分野)20/27点

貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務 8/15点

資金需要者等の保護に関すること 3/5点

財務及び会計に関すること 3/3点

合計34点 合格最低点32点

決して高得点ではありませんが、合格できました。時間がない中でも何とかなるものです。

民法はやはり学習不足でしたね。初めて学習する方は30時間以上は費やしたほうが良いと思います。

60時間程度あれば、問題演習や過去問演習もできて、合格率がぐっと上がるのではないでしょうか。

貸金業務取扱主任者試験に向けて、私が学習したテキスト

貸金業務取扱主任者は、テキストが少なく、数多くある中から比較選択することができません。レイアウト等、多少好みと違っても我慢することになるのですが、自分で資料を集めて学習するよりは、はるかに効率的に学習を進めることができるはずです。

私が購入したテキスト、問題集は以下の2点です。

・らくらく突破 貸金業務取扱主任者 合格教本

・らくらく突破 貸金業務取扱主任者 〇×問題+過去問題集

私は合格教本第5版を購入しましたが、現在は改正民法に対応した第7版が出版されているようです(問題集も改正民法に対応した第5版が発売されています。)

法令等が変わっており、古いテキストの内容を覚えても、試験では不正解になる可能性がありますので、必ず最新版のテキスト・問題集の購入をおススメします。

貸金業務取扱主任者試験のまとめ

貸金業務取扱主任者試験を振り返りました。問題傾向は変わることがありますので、はじめに傾向分析から入ると、スムーズに学習に入れます。

以上、参考になれば幸いです。

皆様のスキルアップを応援いたします!

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