こんにちは。シャイニングフリーターです。
元不動産業界で会社員として働いていた経験から、今日は共有名義で住宅を購入する際の思わぬ落とし穴について解説していきます。
まずは、共有名義とは何か、どんなメリットがあるかについて考えてみましょう。
共有名義とは
不動産を購入する場合、ひとりで購入する必要はありません。
夫婦、兄弟、親子など、2人以上で資金を出して購入することができます。
そして、資金は必ずしも半分ずつ出す必要はなく、例えばある夫婦の場合、男性8割・女性2割の資金を出して購入するという事例がありましたね。
まさし君いい質問だね!登記簿謄本に載っているんだよ~興味があれ調べてみてね~
不動産は、見た目では誰の所有物かわかりません(表札があっても、取り替えられますよね(笑))。
奪われた時の損失が大きすぎますから、公的な文書である登記簿に記録しておいて、誰のものかを証明する必要があるんです。
その登記簿に持ち分情報が載っているというわけです。
共有名義のメリット
共有名義には、メリットがあります。
夫婦2人で住宅を購入すると仮定して考えてみましょう。
それぞれ住宅ローン控除が受けられる
夫婦それぞれ、住宅ローンを組むことが前提ですが、それぞれ控除を受けることができます。
具体的には、年末時点の借入残高の1%相当分を10年間税金から控除することができます(上限あり)。
例えば、年末時点で1,000万円の借入残高があるならば、1%に相当する10万円が控除されます。
そうだね。例えば、旦那さんが2,000万円借りたとしても20万円課税されていなければ、課税されている分しか還付されないよね。15万の課税なら15万しか戻ってこない。そういう場合は、夫婦で別々のローンを組むと還付される金額を上げられるかもしれないよね。
そうだね。住宅ローン控除の上限額は借入残高4,000万円までだから、それ以上の金額の住宅を購入する場合は、共有名義を検討するのも選択肢の一つとして良いね。
相続税対策
相続税対策としても効果的です。例えば老夫婦のうち、男性が一人で持っている場合と、夫婦で共有名義で所有している場合とを考えてみましょう。
男性一人の場合
相続性の評価額が4,000万円の場合、4,000万円と彼の金融資産等を合わせて税額が決定されます。
共有名義で2分の1ずつ所有している場合
男性の共有部分だけに課税がされます。つまり、評価額4,000万円の物件であれば、2,000万円です。
それに彼の金融資産等を合わせて税額が決定されますが、額が上がれば上がるほど、税額は高額になりますから、共有で保持しておくことは相続税面で対策になるといえます。
デメリット
残念ながら、メリットばかりではありません。
共有名義には、大きな落とし穴があるのです。
思わぬ落とし穴
ひとつ目は…離婚です。
兄弟などの肉親の場合は、不仲になることが当てはまるでしょう。
物件を買うとき、「離婚するかも」なんて想定している夫婦はいるでしょうか。
おそらく99%いないでしょう。
それでも3組に1組が離婚すると言われる時代です。
結婚して3年、5年。何かが原因でお別れをすることになった時、共有名義だと、お互いに所有権を持っていますから、どちらか一方が相手方の持ち分相当額を支払って住むのか、第三者に売却するのか、賃貸で貸し出すのか…
どのような選択肢を取るにしても、方針面で、金額面で、意見が合わないのです。
業者買取で早く売ってしまいたい夫vs.希望価格で売りたい妻
売り始めたい夫vs.夫と顔も合わせたくない妻(共有名義で所有する物件の売却には、夫婦2人とも了承することが必要なため、話が進まない)
まぁ、こんな感じです。希望額で売れる場合もありますが、夫婦が購入する物件を買うのは、結局別のファミリーであり、「離婚が原因で売り出された家なんて…」と販売時に購入検討者の心理的に不利だったりします。
返済が困難になる場合も
共有名義で不動産を購入することに関して、現金購入の場合は資産になりますが、2人でローンを組む場合、1人でローンを組むよりも多くの金額を借りれる場合が多いです。
夫婦共働きの場合、2人で35年無事に返済を続けることができれば良いのですが、病気で働けなくなるなどした場合に、1人で2人分のローンを返済する必要があるのです。
「銀行が貸してくれる金額」=「無理なく返済できる額」ではありません。
返済できなくなった場合、銀行は抵当権を付けて、家を差し押さえ、あなたの家を奪うことができるのです。
共有名義で不動産を購入すること
共有名義で不動産を購入することにはメリット・デメリットがあります。
そのメリット・デメリットを理解したうえで、物件を購入するかどうかを検討する必要性があるのではないかと私は考えます。
参考になれば幸いです。
それでは(^^)/