雪のいと高う降りたるを 【枕草子】の原文と現代語訳
雪のいと高う降りたるを 【枕草子】の原文と現代語訳を書きます!学習にお役立てください!
原文)雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子参りて、
訳)雪がとても高く降り積もっているのに、いつもとは違って御格子を下ろし申し上げて、
原文)炭櫃に火おこして、物語などして集まり候ふに、
訳)女房たちが角火鉢に火をおこして、世間話などをして集まってお仕えしていると、
原文)「少納言よ。香炉峰の雪いかならむ。」と仰せらるれば、
訳)「少納言よ。香炉峰の雪はどうなっているだろうか。」と(中宮様が)おっしゃるので、
原文)御格子上げさせて、御簾を高く上げたれば、笑はせ給ふ。
訳)御格子を上げさせて、(私が)御簾を高く上げると、お笑いになる。
原文)人々も「さることは知り、歌などにさへ歌へど、思ひこそよらざりつれ。
訳)仲間の女房たちも「そのようなことは知っており、歌などにまで歌うけれど、思いもよらなかった。
原文)なほ、この宮の人にはさべきなめり。」と言ふ。
訳)やはり、この中宮様にお仕えする人としては、ふさわしい人のようです。」と言う。
雪のいと高う降りたるを 【枕草子】の学習ポイント解説!
雪のいと高う降りたるを 【枕草子】の学習ポイントを解説していきます!
「例ならず」はここでは、「いつもと違う」ことを表します。
「物語」は世間話を指します。この単語は覚えておきましょう。
( https://kobun.weblio.jp/content/%E7%89%A9%E8%AA%9E#goog_rewarded)
「仰らるれば」=「おっしゃるので」
「御格子上げさせて」・・・使役の助動詞「さす」の連用形があるので、筆者が格子を上げたのではなく、女中に格子を上げさせています。格子を上げたのは誰かという問いがあれば、女中と答えましょう。
女房たちの言葉で、「さること」とありますが、白氏文集の詩集を指します。漢詩ですね。
また、「歌などにさえ歌えど」という表現がありますが、「さえ」は添加を表す副助詞で「・・・までも」と訳します。白氏文集の漢詩は知っているだけではなく、それを和歌などにまでも詠んでいるがという意味を表しています。
「笑わせ給ふ」とあるのは、誰が、なぜ笑ったのでしょうか。という問いが考えられます。
中宮の問いかけに対して、筆者は口頭ではなく、漢詩にあるように簾を上げさせてみせた。その機転の利いた行為に中宮が満足して笑ったというように答えれば良いでしょう。
また、この文章から、中宮に使える女房にはどのようであるべきかという問いも考えられそうです。
筆者の臨機応変な機知を中宮が評価していることが読み取れるため、中宮に使える女房は漢詩文の知識があるだけでなく、それを実際の生活に反映する力のある人であるべきと答えれば良いでしょう。
参考になれば幸いです!
他にも現代語訳をしていますので、学習のお役に立てれば幸いです!
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